最近、色んなボーカリストが歌う楽曲を編集したりする機会が増えて、当然そのサンプルを聴いてるんだけど普段どうやって歌の練習をしてるのか?という疑問を持つようになりました。
そんな中で、個人的に強く思ったことは【自分の歌を録音して聴いて修正してるのか?】ということと【サンプルの波形を見たりしているのか?】ということです。
実際何人かのボーカリストにヒアリングしてみると、自分の歌を録音して聴いて練習している人は多そうだけど、後者の「波形を見る」事に関しては考えたことない人が多数、、といった感じでした。
勿論、楽曲のジャンルとかそれぞれのダイナミクスがあることは重要なんだけど、なぜ僕が波形を見て練習するのをお勧めするのか?という部分を書き上げてみようと思います。
視覚的に見ると分かる、歌の上手い人と下手な人
個人的に歌が上手いと思う人は、正確な音程感や豊かな発声もさることながら、サンプルの波形が綺麗です。
とある案件で二人のボーカリストに同じメロディを歌ってもらいました。
波形で見ると、上手い人は波形の振り幅にあまり乱れが無い、即ちボリュームの小さい部分と大きい部分の差が少ないです。
逆にあまり上手ではない人は、、、
小さい部分と大きい部分にかなり乱れがあり、大きい部分はピーク寸前です。
波形で見ると、発声の強弱も一目瞭然です。
立ち位置はバミってポップガード越しに歌っていただいたので、マイクとの距離はほぼ二人とも同じです。
簡単に言うと上手い人は発声がある程度一定の範囲内で抑揚を付けているのに対し、イマイチの人はそういうのあんまり関係なく歌っている感じです。
ダイナミクスや発声の仕方も重要ですが、この「一定の範囲内での抑揚を意識する」ということでかなり差が出てきます。
今回サンプリングさせていただいた方がそういうところを意識してるか?と聞いてみましたが、考えてなかったとのこと。
上手い人は自然に出来ちゃってるみたいです、そういう人もいます。
あとは、発声の癖とかもかなり関係あります。
ただ、個人的に歌がうまいと思う人はやっぱり、一定の発声の中で癖とかオリジナリティを出しているような気がします。
何も意識してない状態で歌を歌うとどうしても癖や既成概念が先行してしまうのが常だとは思いますが、そういうのを一度置いておいて「一定の発声の範囲内で歌うこと」を練習してみると、歌の上達に一役買ってくれるのでは?と個人的には考えます。
音程やピッチについて
最近はボーカルの編集ソフトウェアなんかも非常におすすめです。
僕はいつもcubase pro付属のVariAudioという機能を使っていますが、簡単に言うとサンプルしたオーディオデータを解析して音程やピッチを補正したりする機能です。
自分がどれくらい正確に音を取れてるのか一目瞭然です。
しゃくり上げやビブラートなんかも視覚的に見えるので、その辺もボーカルの練習には持って来いですね。
編集で補正すればもちろんピッチや音程を完璧に直せたりするわけで、プロでも普通にスタンダードな作業です。
あんまり極端に補正すると人間らしく無くなったりもします。
ちなみにVariAudioはcubaseでもproにしか準拠しません。
単独だとMelodyneとかは定評あります。
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使ったことないけどこういうのもあるみたい、、、。
波形見て練習するの大事
最初に書きましたが、ジャンルや曲調にもよるので一概に全てのボーカリストのためになるというわけではないですが、耳で聞くだけじゃなくて自分の声を視覚的に捉えることは上達に非常に有益なんじゃないかと思っています。
音程やピッチ補正のソフトまで買えん!!
という人は、無料でも波形見られるアプリケーションは沢山あるので一度試してみてもいいかもですね。
無料のSoundEngineは昔僕も使ってました。
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/soundengine/