DTMを始める時にPCやDAWと同じぐらい大切な機器としてオーディオインターフェイスがあります。
DTM初心者の人にとっては、オーディオインターフェイスを用意する意味がわからないとか、必要なのは分かるけど沢山あるラインナップから一体どれを選んで良いのかわからない…という人もいるかと思います。
そこで今回は、オーディオインターフェイスを導入するメリットと、パパのおこずかい3万円の予算で選べる、今僕ならこれを選ぶだろうといういくつかの機種をご紹介いたします。
オーディオインターフェイスとは?
オーディオインターフェース (オーディオI/F)は、コンピューターのサウンド機能を拡張・強化するために利用する機器です。
現在ではパソコン上での音楽制作が世界標準になっています。そして音楽制作の際にノイズの少ない、より美しく高音質な音質で再生・録音(レコーディング)するための機材がオーディオインターフェイスです。
オーディオインターフェースを使用するメリットは、なんと言ってもレコーディングとリスニングの音質が向上することです。
オーディオインターフェースは ノイズを低減して高音質に録音するためにつくられています。
しっかりしたオーディオインターフェースを使用すれば、これらのレコーディングに関わる余計なストレスを無くすことができます。パソコンの標準装備のサウンド機能ではオーディオの再生能力はもちろん、適切なリスニング環境を構築する事も難しいのが実情です。
適切なリスニング環境とは具体的に、原音に忠実に再現するモニターヘッドホンやモニタースピーカーの接続を指します。
DTMで制作した楽曲は個人で楽しむ以外に、ニコニコ動画やYouTube等の動画配信サイトで公開したり、CDプレスして配布したりする機会があるでしょう。
その場合、不特定多数のリスナーが様々なリスニング環境であなたの作った楽曲を聴くことになりますが、どのような環境で聴いても心地よく聴こえる音楽を制作側は提供する必要が出てきます。
そう考えると原音を忠実に再現するモニターヘッドホンやモニタースピーカーも必要になってきますが、パソコンに標準装備されているサウンド機能では、その効果を十分に発揮出来ないどころか接続端子が合わなくて接続する事すら出来ない場合が多いのです。
このようにDTMでは非常に高いレベルでサウンドの録音・再生環境を求められます。
そこで登場するのがDTM用に作られたオーディオインターフェイスと言う事になります。
オーディオインターフェイスと聞くと録音がメインと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、DTMでは再生環境を整えることも非常に大切であるため、やはりオーディオインターフェイスはDTMに必要な機材と言えます(´・ω・`)
オーディオインターフェイスの選び方
入出力端子を確認
オーディオインターフェイスへのマイクや楽器の入出力端子にはいくつか種類があります。主要な入出力の端子がどれだけあるかの概要を伝えるために、2in/2out(2つの入力口と2つの出力口)や4in/4out(4つの入力口と4つの出力口)と表現されることが一般的です。
- ギターの入力
エレキギターやエレキベースを標準のジャック(フォーン端子)でそのままオーディオインターフェイスに接続しても、本来の音色の良さを活かせません。その不備を補う規格がHi-Z入力です。エレキギターやエレキベースを録音するなら、Hi-Z入力のものを選ぶとよいでしょう。
- マイクの入力
マイクには大きく分けてダイナミックマイクとコンデンサマイクがあります。ほかにもリボンマイクというものもありますが、構造的に非常にデリケートで耐久力が低いため、徐々にその数は減っています。
ダイナミックマイク はオーディオインターフェースを最初に使用してみるには良い選択です。簡単に接続して使用することができ、堅牢で、しかも価格もコンデンサーマイクより手頃です。
よりクリアな音のレコーディングを目指すなら、コンデンサーマイクの導入を検討してみましょう。ダイナミックマイクよりもデリケートな取り扱いや保管をする必要がありますが、よりクリアな音で録音ができます。
コンデンサマイク使用するときはXLR端子でオーディオインターフェイスに接続する必要があります。最近ではXLR端子とフォーン端子、どちらでも接続できるコンボジャックがついているものも増えています。
- 音声出力
音声出力用のケーブルはフォーン端子(主にヘッドホン仕様時に使用)のものと、赤と白で左右LRの別れているのRCA端子(主に左右LR 2つのスピーカーに出力する時に使用)のものがあります。
どちらか一方しかついていない場合もあるので、自宅のモニターの端子を確認して、必要な端子を搭載したオーディオインターフェイスを手に入れましょう。
- ヘッドフォン出力
単にリスニングするだけでなく、ボーカル録音の時、音が出しにくい夜間などのリスニングの時にヘッドフォンが必要になります。最近のオーディオインターフェイスには標準搭載されているものがほとんどです。
サンプリング周波数とbit深度
オーディオインターフェイスの
「24bit/96kHz対応」
などと書かれていることがありますが、これは主にオーディオの音質を表しているスペックです。
単純にこの数字が大きい方が原音を忠実に録音・再生することが出来ると言えます。
いわゆる「音の解像度」です。
サンプリング周波数の単位はHzで表し、1000Hz=1kHzです。
bit深度の単位はbitで表します。
通常のCDのbitレート【16bit/44.1kHz】に対し、最近では【24bit/192kHz】でのレコーディングと音楽制作が主流となりつつあります。
楽曲が完成したあとでyoutubeにUPするのか、CDにするのか、ハイレゾ音源で配信するのかなど、リスナーに届けるメディアの違いによって、楽曲データbit/Hzを使い分けることも増えてきています。
まあ、でも最初のうちはこの数値はそこまでこだわらなくても良いと思います。と言うより人間の聴覚上、20kHzあたりまでしか把握できないとも言われてるので、ほとんど違いが分からないと思います。
なので、一般的なDTMを行う場合、オーディオインターフェイスを選ぶ時は24bit/48kHz以上の性能を持っている機種であればとりあえず問題ないと思います。
パソコンとの接続端子の確認
パソコンとオーディオインターフェイスのデータのやり取りをするための接続端子には大きく3種類があります。
前記でも少し触れましたが、USB、Firewire、Thunderboltが一般的とされています。
自分の持っている音楽制作に使用するパソコンへ接続できる端子はどれかを確認しておく必要があります。
USB接続
最も一般的な接続方法である USB は現在では大抵のパソコンについていますが、1.0、2.0、3.0、3.1どのヴァージョンなのか確認しておきましょう。
例えばパソコンがUSB2.0であるならオーディオインターフェースがUSB3.0に対応していたとしても、2.0の転送速度でしかデータのやり取りが出来ません。
Firewire接続
Apple社が開発を始めた転送方式で、FireWireはその開発コードネームでした。
USB接続に比べて高性能と言われるFirewire接続ですが、最近のMACには搭載されなくなってきてるみたいですね(´・ω・`)
Thunderbolt接続
FireWire 800の12倍、USB 2.0の20倍の速さがあると言われている次世代規格。Intel社 と Apple社 が共同開発したコンピュータに周辺機器を接続するためのシリアルバス規格です。
2017年2月現在、windowsでもthunderbolt規格に対応するようになっています。
ファンタム電源のこと
ファンタム電源とは、インターフェースやミキサーから電源を供給するための規格です。多くの機器は、XLR(キャノンコネクタとも呼ばれる3ピンのコネクタ)端子がついたケーブルで電気が供給されます。
レコーディングに使用されるような高価で高品質なコンデンサーマイクは、ファンタム電源に対応していたりファンタム電源が無い機器では使えないものもあります。
オーディオインターフェースを選ぶ際には +48Vファンタム電源対応か、接続端子は何か、必ず確認するようにしましょう。
マイクプリアンプのこと
マイクプリアンプは、マイクから入力された音を極力大きくしながらクリアな音質にするもので、音質の良いレコーディングのためには欠かせない機材です。
市販されているオーディオインターフェイスの多くは、すでにマイクプリアンプが内臓されているので、マイクプリアンプ内臓のオーディオインターフェイスを持っていれば、独立したマイクプリアンプはなくても、レコーディングはできます。このマイクプリアンプがマイクレコーディングでの音質に影響します。
更に自分の楽曲制作システムを良くしたい場合、より高性能なマイクプリのアウトボードをつかうことでよりクリアな音質を得ることができます。
付属ソフトウェアも確認する
前記の通り、最近のオーディオインターフェイスには DAWソフトやエフェクトプラグインが付属しているモデルが多数登場しています。
これから音楽制作をはじめようと思っている人は、DAWソフトが付属しているオーディオインターフェイスを用意するといいかもしれません。
例えば以下の感じで付属したりします(´・ω・`)
- 【Roland / DUO-CAPTURE EX】 付属DAW:Ableton Live 9 Lite
- 【TASCAM / US-366】 付属DAW:SONAR X3 LE,Ableton Live 9 Lite
- 【Steinberg / UR22】 付属DAW:Cubase AI 7
- 【Focusrite / Scarlett 2i2】 付属DAW:Ableton Live 9 Lite
- 【Avid Technology / Fast Track Solo】 付属DAW:Pro Tools Express
- 【PreSonus / AudioBox iTwo STUDIO】 付属DAW:StudioOne Artist
おすすめのインターフェイス
そんなわけで、上記を踏まえた上で3万円くらいの予算で今僕が選ぶとしたらこれ!っていうインターフェイスをいくつかご紹介します。
●Roland / QUAD-CAPTURE
USBオーディオインターフェイスの定番ともいえる製品。マイク入力は2つのみですが、デジタル入出力を備えているのがポイント。最大24bit/192kHzのUSB 2.0対応。USBバス・パワー駆動にも対応してます。
●Steinberg / UR44
●Focusrite / Scarlett 6i6
僕が最初に買った機種でもあります。定評のあるFocusriteのマイクプリアンプ準拠。6IN/6OUTを装備し、2chのデジタル入出力となっています。内蔵DSPでエフェクト処理も可能になっているのもポイントです。ヘッドフォン端子が2つ付いているので共作などにもいいですね。
●PreSonus / AudioBox 44VSL
堅牢なボディーのAudioBox 44VSLは、アナログの4IN/4OUTのオーディオインターフェイスで、フロントに4つのマイクプリアンプ付コンボジャックが搭載されています。iPad/iPhoneでも利用可能で、内蔵DSPも利用できます。
●Steinberg/UR28M
視認性の高いデスクトップタイプのボディに、D-PRE マイクプリアンプ搭載アナログ入出力、デジタル入出力、DSP コンソール機能を装備。
3系統のモニターコントロールも可能なのがいいですね。24bit/96kHz対応USB2.0オーディオインターフェース。
【メーカーサイト】
http://japan.steinberg.net/jp/products/hardware/ur_series/lineup/ur28m.html
●ZOOM / R24
ちょっと前の機種ですが、僕もずっと保持しているMTRタイプのインターフェースです。
「MTRにオーディオインターフェース機能が付いた」位の解釈でもいいかもしれませんが、インプットも多く、小規模のライブ音響や動機演奏までこなせてしまうのはかなり便利。 以前MTRを使っていた方々にとっては勝手の良い機種だと思います。僕がそうでしたので、、、。
【メーカーサイト】
https://www.zoom.co.jp/ja/products/multi-track-recorder/r24-recorder-interface-controller-sampler
まとめ
オーディオインターフェイスは歌や演奏を録音するだけでなく、音の出口としても大変重要な役割を持つ機材ですので、DAWの次に必ず揃えておきたいですね(´・ω・`)
また、今回紹介したオーディオインターフェイスはどれも、DAWを同梱しているため、こちらのオーディオインターフェイスをまず導入し、それらに付属しているDAWを使ってみるのもいいかもしれません。
なんだかよく分からないという方は、見た目で選んじゃうのもひとつの手です。
見ていてテンションがあがるような機材は、制作時におけるモチベーションの向上にも繋がりますし、使っていくうちに自分にとってどういうインターフェースが最適なのかは自ずと分かってきますので。
オーディオインターフェイスの導入を考えている方々にとって、少しでも参考になれば幸いです(`・ω・´)