説明不要の超メジャーRPG「ドラゴンクエスト」の4作目、ドラゴンクエスト4でずっと気になっていたことがある。
自分が男であるため主人公の性別は常に男に設定して何度もプレイしてきたが、実際女でプレイすると5章の始まりはどうなるだろう?という事だ。
(ネタバレあるので以後繙く判断はご自由に)
伝説の冒頭
それぞれのキャラクターのストーリーが錯綜するチャプターシステムやAIを使った戦闘など、それまでの歴史を強く塗り替えたタイトルでもあった。
前作のドラクエ3から主人公を男女で選べるようになったものの、性別によるストーリー変化はそれほどない模様。
だが今作は3よりもキャラクターにドラマが潤沢に用意されているため、何かしらの変化が5章で起こるのではないか?という素朴な疑問に突き当たったのは、発売から30年経った初夏だった。
5章の始まり、主人公の住み慣れた村からスタートする。
言わずもがな、モンスターの襲撃から始まる悲壮に満ちたスタートなのだが、ここで表題の件である。
そこで登場する「シンシア」という幼馴染、性別はどう見ても女の子なので、主人公が男である場合は恋仲であろうことがさもあるべきなのだが、果たして主人公が女である場合はどうなるのか?というのが今回の検証である。
正直言うと、今まで生きてきて何度かは耳にしたことがある。
「シンシアじゃなくて、相手が男になる」と。
実際、再びプレイするに至った際、ファミコン好きな知人にそのことを訪ねてみたら、「あれ、たしか相手が男に変化するんじゃなかったですか?」という返答が来た。
やはりそうなのか、、、。
結果は分かっているにしろ、一度はこの目で確かめないと気が済まないという事で、とりあえず主人公は女を選択し、僭越ながら妻の名前をぶち込みスタートした。
予期せぬ結果
というわけで5章まではサクサク割愛。
5章までは主人公の性別は恐らく関係ない。はず。
で、例の冒頭である。
毎回思うんだが、この5章の冒頭は色々と情報過多でヤバい。
実際自分であったら恐らく立ち直る自信が無い。
で、例のシーン。
シンシアはシンシアだった、、、。
何という事だ、恋仲設定は崩れてしまった、30年の時を経て思い込み補正が完全に覆された瞬間である。
い、妹の設定とは、、、。
そして、例の悲しい顛末へと続いていく、、、。
もう恋仲とか姉妹とかどうでもいいから、行かないでくれ、、、一人にしないで、、、、。
この齢にもなると、それなりに人生の酸い甘いを経験してきているため、ストーリーへの没入感がすごい。
ここまでストーリーが進むころには、既に「シンシアを守りたい」ただそれだけを考えている。
だが、あまりに無力、、、。
自分が人として成熟してもなお、僕にシンシアを救う手立ては皆無であった。
いや、いっそのこと4章に戻り、キングレオに挑む前にミネアとマーニャのレベルをマックスにして、山奥の村まで来る方法を何とかプログラミングできないか?とも真剣に考えた。
僕は無力。
謂れのない嫌悪感が僕を包む。
まとめ
というわけで、30年の時を超え、また新しいドラクエの史実に触れることができた。
いまはまだ冒頭の喪失感から自分の心を救い出せないでいるが、真実をこの目で確かめることができたのでもうこのまま5章は進めずにいようかと思っている。
事が終わり、悲しみの世界に踏み出した主人公。
花壇の中でシンシアが身に着けていたであろう「はねぼうし」を拾うことができる。
よし、シンシアの形見を早速身に着けて、肌身離さず共に生きよう
そして一緒に憎きデスピサロを打ち砕いてやろう、、、、
とはいかないのがまた辛い。
なんと主人公は「はねぼうし」を装備できない。
かといって装備できる誰かに渡すのも嫌だ。
トルネコの奥さんに預かってもらうのも忍びなさすぎる。
もうね、持ってる。
道具欄は一つ分失うが、そんなことはどうでもいい。
ただただシンシアと共に在りたい。
天空の兜など必要ない。
僕はただシンシアといたいんだ、、、、。
こうなってくるとやっぱりデスピサロ討伐がどうでもよくなってくる。
やはりこのままコントローラを置こう、、、。
と、なんとも歯切れの悪い堂々巡りが延々と続く。
ドラクエ4、、、。
今回の件で個人的ドラクエ史上ナンバーワンの座に落ち着いた瞬間であった。
完。