ちょっと前に国内の音楽レーベル「残響レコード」のデモ募集について、SNSで燃えてたみたい。
今は中の数字がだいぶ落とされて表記されてるみたい。
この騒動で慌てたのか間違ってたのかは分からない。
高飛車だとか社長がおかしくなっちまったとか炎上狙ったとか、とにかくまあ各所でひどい言われようなんだけどね、一連のことがあって社長の河野さんのブログとかも読んだけど、なんていうか別に個人的に違和感は感じなかったし、むしろ面白いな、と思った。
なので僕個人としては今回のことは意外というか、なんかここまで炎上する理由もあんまり理解できない。
もしなら、募集要項だけじゃなくてリンクしてあるブログとかも目を通せばいいと思います。
http://zankyo.jp/
それでも意味わかんなきゃ多分説明しても共感してもらえない気もするけど、今回思ったこと書いておきます。
レーベルのコンセプトは一貫してる
残響レコードは代表の河野さんがやってるte’とか9mmとかCinema Staffとか、所謂インディーズの雰囲気のソリッドなバンドサウンドのロックバンドやエレクトロニカのバンド、最近だと海外にもレーベルアーティストを抱えるレーベルだ。
元手10万円でレーベルを立ち上げたという河野さんは、レーベル事業一連のことに触れた著書も出していて、当時その辺のバンドとも距離が近く活動していた僕達の中で話題になった。
昔からずっと河野さんは言っていたんだけど、
「自分が良いと思わないものはリリースしない」
このことは、今回の募集要項を見ても一目瞭然だった。
残響レコードはバンド界隈では存在が大きくなって、「残響系」と呼ばれるバンドも増えたような気もする。
当然、レーベルに所属したいバンドは増えただろうし、その分デモ音源の応募も爆発的に増えたはずだ。
実は昔僕も一度残響にデモを送ったことがある。
音沙汰も無かったし、もともとレーベルのコンセプトは知っていたので、自分がまだまだ未熟なのだと俯瞰した。
デモが全て河野さんの耳に入ってるかはわかんないんだけど、少なくともレーベルとして、しっかりコンセプトに見合わないような音楽を、果たして採用するか?と考えたら答えは簡単じゃないかな、と思う。
確かに最初に炎上した募集項目は、どれも実現の非常に難しいものだが、後述のブログでこう書いています。
デモの条件まで自分達でできたら、残響いらねえよ!って僕なら思います。
しかし、そのような思考をもってる人は、間違いなく上にいけません。
残響の言ってること、当たり前だよな、って思う人が上に行きます。
僕の考えでは、ここまではバンドの力で上がれる時代です。
音楽業界の人が投資をするには、この条件をクリアする思考や努力をした人にしか、ヒットのチャンスはありません。
つまり、ゼロから1は自分で作る。
音楽業界は、1を10にするのが仕事です。
これ、至極当然のことだと思います。
特に今の時代はそれが夢じゃなくなってると思う。
ビジネスで考えたときに、例えば会社を立ち上げて、売れるかわかんないものは多分売ろうなんて思わないと思うし、売れる可能性の高いものを売るというのは当たり前だし。
それでもどうしても自分の会社で売りたいものがあるとして、多分それは売り上げも大事だけど何より自分が自信を持って他人に薦められるものとか、利害がちゃんと一致するものだったりすると思うんだよ。
音楽性だけじゃなくて人間性も見るっていうコンセプトも、そういうところに表れてるんじゃないかな。
誰だって、可能性の無いものにお金も時間も使いたくないのは当然で、河野さんの考えはビジネスライクな部分と人間らしい部分がクロスフェードしてるとしか思わない。
厳しい条件もその辺のことを考えてみると良く分かると思うけど、なんとなく好きなレーベルでなんとなく売れたいからっていう理由で、ビジョンも実力もぼんやりしたバンドから日々デモが送られてくるのをもうやめたいんじゃないですかね。
それでも残響に入りたい
バンドをやっていると、「売れたい」も当然だけど、「あのレーベルに所属したい!」っていう事を思うバンドマンも少なくないと思います。
メジャーどこならソニーとかユニバとか、メロコアパンクならpizza of deathだとか、ラウド系ならVAPだとか、売れるのも大事だけどそれよりもそのレーベルに入って活躍したいという、お金とは違った目標。
実は僕も今は自主レーベルやってるけど、もし入れるならあそこ!っていうレーベルがあって、それは売れる売れないとかよりも、そのレーベルに所属するアーティストが本当に好きだとか、そのレーベルの価値観や考え方、世界観が本当に好きだという理由。
「今回の条件を仮に達成したとしたら別に残響に入る意味無くね??」
という意見も多かったけど、別にそれならそれで他に行きゃよくね?と思います。
たしかに最初の要項を全部満たしたとしたら、多分それだけで色んな会社は動いてると思うし、別に大手でもないレーベルに所属する意味なんて無いかもしれませんね、ただ「売れたい」だけなら、ね。
「俺達、残響レコード大好きで入りたくて、自助努力で要項全部達成しました!他のレコード会社からも声かけられましたけど、そういうの捨ててでも残響レコード入りたいんです!!」
そういうアーティストが現れたら多分河野さん放っとかないでしょうね。
前項と被るけど、売れるものを売るのは会社として当然だし、それでも自分のレーベルを愛して頑張って来てくれる人に、心動くのではないだろうかと思う。
まとめ
というわけで、僕的には今回の残響の一件は、デモを募集しているレーベルとしては逆に面白いと思うくらいのことでした。
というか、むしろ一貫した姿勢を垣間見れてすげえな、と思いました。
前後にどういう背景があるのか知らない状況で今回のことをジャッジするのはちょっとナンセンスだと思うし、納得いかないバンドマンがいるなら残響レコードにデモ送るのやめればいいと思うし、批判や議論する意味もちょっと分からない。
別に残響レコードの肩を持つとかじゃないけど、冷静に考えて強い意思を持ったバンドマンがビジネスすることに置換すれば、そこまで批判する必要は無いかな、と思う。
オンラインサロンとかもそうだけど、今の時代サロン運営とか割と当たり前だし、別にスキルや経験を売るのは問題だとも思わない。
ひとつの仕事として括るべきかな、と思う。
重複するけど、そもそもこれからの時代は個としての影響力がモノを言うような世界になっていくと思っている。
ボンヤリと他者の力のおかげで売れようとしている人は恐らくどんどん蹴落とされていく。
そういう競争社会が嫌だとか自分の幸せとそぐわないというなら別にそれはそれだけど、根本的に誰かの助けを借りる前提で生きていくならば、それはそれで失うものもあることは理解していたほうがいい。
僕自身、体育会系のバンド思考なので、逆境は「このやろう!!なめんな!!」みたいな雑草魂で這い上がりたいと思うし、そもそもバンドってそんなに甘くないと思うし、そのくらいギラギラしてるほうがよくないですか??
http://zankyo.jp/
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