先日、嫁とのユニットであるheartleaf(ハートリーフ)の活動休止前最後となるライブを終えた。
ホームページのブログでも書いたけど、今は長野県伊那市に住んでいて、市内にある『伊那グラムハウス』というライブハウスで最後のライブをしたかったので、とりあえずは終着駅で下車できた。
ライブのMCでも言ったんだけど、正直僕は二十歳の頃『伊那市はバンドや音楽不毛の地』だと切り捨て、地元を離れ手バンドを始めた。
それはその頃のライブハウスのイメージもあるし、個人的な理由もあるんだけど、田舎のライブハウスなんて意識の低いしょうもない連中の集まりみたいに思ってた。
だから捨てた。
帰郷して、伊那市がホームになった。
バンドの青春時代を別で過ごしてきた僕はなかなか伊那のバンドシーンに溶け込めず、ライブも県外ばっかりだった。
でも別に無理して伊那の看板掲げて音楽やろうなんて思ってもいなかったのが正直なところだ、恐らく伊那を捨てたころのイメージを払拭できていなかったんだと思うけど。
グラムハウスにも出入りする機会が増え、次第にバンドマンの友達も増えてきて、店長の良太朗君と話す機会も増えた。
対談もした。
https://heartleafkk.com/?p=2731
人や場所を簡単に判断するのは難しい。
自分からも首を突っ込まないといけないし、自分の尺度もある。
それに見合ったレスポンスがあるかどうかも分からない。
だが彼を知っていく度に、昔のイメージは薄れていった。
彼が伊那のバンドをどう考えているか、ツアーで来るバンドをどう見ているか、呼ぶバンドはなぜ呼ぶのか、グラムハウスをどうしたいのか、僕も長い事バンドやってきたので、彼がどういう姿勢で音楽と向き合っているのかは、次第に理解できた気がした。
彼は
「分かってくれている人間」
だと思った。
今となってはライブの座組や出順さえ、彼の考えやイメージを感じることが出来る。
だから何も文句もないし、安心して委ねられる。
今までいろんなバンドでいろんなライブハウスでライブをしたけど、僕はライブハウスはただ音楽を演じて感じる場所だとは思ってなくて、すべては「人間」だと思っている。
相性もあるんだろうけど、素晴らしい人間がいるライブハウスは寄り付きたくなるし、クソな人間が運営するライブハウスはやっぱりクソだし、その辺は顕著だ。
多分そのハコでその人がいるから、そのライブハウスなんだと思う。
お客さんからしてみたらだれが店長でどんな人間がいるだなんて関係ないかもしれないけど、そもそもそのバンドがそのライブハウスでライブするのにはそういう部分からリンクは始まっている。
バンドマンはライブハウスに惹かれてるわけじゃなくて、そこにいる人に惹かれて集まってる。だからライブハウスを盛り上げたいとか思うだろうし、逆に嫌になれば離れていくだろうし。
活休前最後のライブを伊那グラムハウスで迎えられてよかった。
最後の最後に「本当に素敵でした」と良太朗君に言ってもらえた。
伊那の看板背負うなら彼に認められて初めて地元のバンドになれると思ってたので、活休になっちゃうんだけど、やっと第一歩かな、って。
帰郷して自分のホームのライブハウスはどこなのかはっきり言えなかったんだけど、今はやっと「ホームは伊那グラムハウスです」と言えるようになった。